第一三共ケミカルファーマ株式会社

お問い合わせ

社員インタビュー N・Y

複雑な生命現象を深く理解して、
人の命に向き合いたい

バイオ技術部 製造技術グループ
2018年入社 化学システム工学 専攻 修士卒

入社を決めた理由

人類の役に立つことをしたい

大学院での専攻は生物化学工学。研究室では、バイオ薬品に用いる細胞の開発を行っていました。通常の化学反応は、「A+B=C」のように法則通りに進むことが一般的なのですが、生物における化学反応はそれほど単純にはいかず、その神秘性に惹かれていました。そんな私のターニングポイントになったのは、2012年に京都大学の山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したこと。複雑で神秘的な生命現象を人間がコントロールできる可能性を拓いたことが衝撃的でした。そのことをきっかけに、「自分も生命現象で人類の役に立つことをしたい」「バイオという分野を産業応用したい」と思ったのです。また、学生時代に身内が病気になった際、抗体を用いたバイオ医薬品を使って完治したこともきっかけとなり、製薬会社を志望。中でも第一三共ケミカルファーマを選んだ理由は、私が就職活動をするタイミングでバイオ技術部が新たに立ち上がり、会社としてバイオ医薬品に力を入れていくフェーズであったこと。そして抗体の製造規模を段階的に拡大していくスケールアップと呼ばれる技術が、私の専攻していた生物化学工学と相性がよかったこと。自らの経験が活かせることが大きな決め手でした。

入社後の経歴と、現在の業務内容

新規バイオ医薬品のスケールアップと生産技術の評価・検討

主に2つの業務を担ってきました。ひとつは、新規バイオ医薬品のスケールアップ。開発初期では数mgでつくり出された原薬も、工場での量産を見越した開発後期になると数百kgまで規模を拡大していきます。小さな開発規模では生まれなかった問題も、規模を大きくすることでさまざまな問題が表面化してきます。例えば、細胞の増殖性が変化し、単位時間あたりに増える細胞の数が想定よりも多くなったり、少なくなったりといった現象が起こること。そのような課題をひとつずつ解決していくのが、スケールアップの業務です。現在は、新規開発中の原薬を工場で量産する際の10分の1程度のスケールで試験的に製造する「試製」という業務を担当。治験薬として臨床試験を行うために必要なデータの取得や分析に取り組んでいます。
もうひとつの業務は、生産技術の評価・検討です。実際に工場で量産体制に入ったとしても、製造のしやすさや安定性・安全性の確保のために、製造現場では改善するべきさまざまな事柄が生まれてきます。例えば、さまざまな因子によって影響を受けやすいバイオ医薬品の場合、雑菌が混入しにくい装置を選ぶことも重要な業務のひとつです。ほかにも、「製造現場の方にとってミスが起こりにくい装置とはどのようなものなのか」「どんな性能を、どのように導入すれば製造しやすい環境をつくることができるのか」といった視点で生産技術を評価・検討していきます。メーカーや装置の選定にあたっては、実際に自分で生産技術の展示会に出向くこともしばしば。さまざまな機器・装置メーカーの方と対話しながら最適な装置を導入できるように取り組んでいます。

仕事のやりがい

仕事のやりがい

若手にも大きなチャレンジの機会を与えてくれる

治験薬の開発・製造に関わったり、生産技術の評価・検討を行ったり、幅広い業務を任せてもらえることが大きなやりがいですね。特に試製の際には、スケールアップ時に解消しなければならない問題を見つけたとき、その課題解決のためのプロセス設計まで大きな裁量をもって任せていただいています。特に印象に残っているのは、それまで扱っていたものよりも、かなり早い増殖性を持った細胞を扱ったとき。しかも、その試製から新しい工程が追加されることになり、かなり慌ただしいプロジェクトでした。いつもよりも準備や段取りを念入りに検討し、さまざまな部署とも連携し、スピード感を持ちつつも慎重に現象を観察して……と、自分の持っている能力を存分に使って臨みました。とても大変な業務でしたが、振り返ると大きく成長できた経験になったと思います。
また、生産技術の評価・検討についても、これから新たに立ち上がる部署の業務拡大を任される予定です。若手にも大きなチャレンジの機会を与えてくれる、第一三共ケミカルファーマだからこそ、やりがいを持って働くことができていると思います。

この職種に求められる力とは?

状況を俯瞰できること、さまざまな部署とコミュニケーションを取りながら適切に連携すること

研究職というと、研究室にこもって一人で黙々と実験や作業を行うイメージがあるかもしれませんが、第一三共ケミカルファーマでは、チームワークがとても重要になります。
開発・製造は、さまざまな人がそれぞれの役割を担いながら、いくつものプロセスを経て進行していきます。そのため、「自分が携わっている製品が、今どの工程にあって、どれくらい進行しているのか」「問題は生じていないか」「自分はいつ、どのように関わったらいいのか」といった全体の状況を把握しておかなければなりません。状況を俯瞰できること、そして、さまざまな部署とコミュニケーションを取りながら適切に連携することが、必要な仕事だと思います。

会社の魅力、社風

会社の魅力、社風

知名度も、実績も、兼ね備えている

第一三共グループは、ヘルスケア領域の関連会社も保有しています。風邪薬や化粧品などドラッグストアなどで市販されている製品も取り扱っているので、知名度は高いと思います。一方、がんに関する領域では、国立がん研究センターと提携して共同研究を推進していたり、第一三共グループで開発した「エンハーツ」という新薬が世界的にも注目されていたりと、市場からも大きな信頼を得ています。知名度も、実績も、兼ね備えているところは、当社の魅力だと感じています。

今後の目標、夢

バイオ医薬品領域において第一線で活躍する人材になりたい

バイオ医薬品領域において第一線で活躍する人材になりたいという想いは、入社前から変わりません。製造だけでなく技術検討や臨床試験、細胞の解析などさまざまな場面で的確な提案を行うことができて、現場で信頼されるようになることが今の目標です。そのためにも、新しい知見を吸収することは欠かせません。アカデミックな分野で展開されている最先端の研究動向は欠かさずチェック。遺伝子工学や細胞生物学に関する学会やシンポジウムがあれば、積極的に聴講するようにしています。いつかは、そのような場面で得た知見を社内に展開して、会社全体のレベルを引き上げることができたらいいなと思っています。
そのほか、バイオ領域と情報工学の融合にも興味があります。生命現象は、いくつもの複雑な変数の集積で成り立っています。生きた細胞を扱うバイオ医薬品の開発・製造は、そのような複雑性をコントロールしながらスケールを拡大しなければなりません。その分だけ、生まれるデータの数も膨大かつ複雑になり、分析も困難を極めます。そこで、ディープラーニングなどの圧倒的な計算力が効果を発揮すると考えています。細胞の発現状態を高度に解析することで、生命現象の理解にもつながり、高品質なバイオ医薬品を生産できるようになるはず。そのような取り組みを行って、第一三共ケミカルファーマの開発力・製造力を引き上げていければと思います。

オフのすごし方

趣味は音楽。ライブやスマホで音楽を聴くことを楽しむこともあれば、自分で楽器を演奏することもあります。また、料理も好きで、時間があるときはメニューを考えて、こだわりの料理をつくることを楽しんでいます。

学生の皆さまへ一言

バイオ領域に限らず医薬品の開発・製造は、ミスが許されない世界。一人ひとりのささいな気づきや発見の積み重ねで未然にトラブルを防ぎ、品質を守り抜いています。そのような高い責任感を持って、製薬に挑みたいという方に出会えることを楽しみにしています。

エントリー

マイナビに登録されたご自身の会員情報を利用してエントリーすることができます。よろしければ以下「マイナビ」ボタンより画面の案内にしたがって手続きをおこなってください。皆さまからのエントリーをお待ちしております。